キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

母や真奈にもそうごまかしたからだ。


「えっ、選手じゃないのに?」


そこはスルーしてよ。


「あはは。運動不足かな」


弘香と話していると、中江くんはホームルームが始まる直前に滑り込んできた。


「遅くない?」
「お前がいないから皆手際が悪くて、後片付けに時間がかかった」
「ごめん」


片づけだけでも手伝うべきだった?


「バーカ。お前が謝るとこじゃねぇよ。柳瀬に頼りすぎだって反省したのは俺たちだ。池田先輩なんて特に」


彼の口から池田先輩の名前が出て、軽くテンションが上がる。


「なにニタついてるんだよ。わかりやすいって言ってんの」
「ニタついてない」


心の中を読む彼に慌てて背を向けた。



その日は帰りのホームルームのあと、真奈を見送る。


「莉奈、ごめんね。よろしく」
「任せて」