キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

心の中で叫んだけれど、当然口には出せない。

池田先輩は雲の上の人で一方的に私があこがれているだけだし、変な噂が広がっては困る。


「違うから」


今日は倒れたばかりだから、あれこれ反論する気力もない。

私はそれだけ言い捨てて、奥の自分の部屋に駆け込んだ。



それから眠ってしまったらしく、いつも目覚ましにしているスマホのアラームが鳴ったのに驚いて飛び起きると、朝になっていた。


「大丈夫そう」


ぐっすり眠ったおかげか、体はすっかり元通り。

中江くんの言う通り朝練はパスすると決めて、シャワーを浴びに一階に下りた。


「莉奈?」


キッチンから母の声がするので顔を出す。


「おはよ。昨日寝ちゃった」

「うん。夕飯だよって真奈に声かけてもらったけど寝てるって。ぐっすりだったから起こさないでおいたの」

「うん。シャワー浴びてくる」