キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

シャワーを浴び、ベッドにダイブ、したいところだけど、中江くんの忠告を聞き化学の問題集を開いた。

やっぱり居残りはまずい。


「えー、早速わかんない」


いきなりつまずき頭を抱える。

机の上に置いてあるスマホに手を伸ばし、中江くんの電話番号を表示する。

かけてもいいかな? ホントは迷惑?

迷いに迷うこと五分。
とうとう発信ボタンを押した。


「あれ……」


コール音は聞こえてくるのに、ちっとも出てくれない。

留守番電話にも切りかわらないので切ろうとしたそのとき、『悪い、シャワー浴びてた』という慌てた様子の中江くんの声が聞こえてきた。


「あっ、ごめん」
『ちょっと待ってろ。パンツはく』


は……? もしかして全裸なの?


見てもいないのに顔が熱くなるのを感じた私は、電話を切りそうだった。


『お待たせ。で、もうわかんないとか?』