キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

私が元気すぎるので、親戚の人たちからはよく『足して二で割ればちょうどいいのに』と言われてきた。


「柳瀬が代わる必要はないだろ。お前はお前だ」


初めてそんなふうに言われたので、キョトンとする。


「私は、私?」

「お前、日本語わかる? 化学できないだけじゃなくて、頭のネジ飛んでるんじゃ?」

「はぁ?」


おかしそうに頬を緩める中江くんが再び足を進めだしたので、私も慌ててついていく。


「いくら双子だからって、別人格だろ」

「それはそうだけど」


ただ、同じ歳で似た顔をしているのだからいちいち比べられる。

だからか、ふたりでひとセットのような感覚があって、彼の言葉が新鮮だった。


「性格は全然似てないしな」


鼻で笑う彼が考えていることくらいわかる。

真奈はおしとやかなのに、私はおてんばだと思っているのだろう。


「悪かったわね」