キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

中江くんがベンチ入りや出場を訴えて険悪になりかけたチームだったけど、皆の表情が明るい。


「ありがとうございました!」


両チーム並んであいさつをかわしているのをみていると、目頭が熱くなり顔がゆがんだ。



すべての片づけを終えて最後に部室を出ると、中江くんが待ち構えていて驚いた。

彼はなぜか私をじっと見つめる。


「お前、なんで泣きそうなわけ?」


我慢してたのに気づいてたんだ。


「勝つと告白されるから悲しいのか、それとも勝ってうれしかったから泣きそうなのか、どっちだ?」
「わかんない」
「は?」


彼は肩を震わせ始める。


「自分の気持ちもわかんないなんて、起きてるか?」

「起きてるよ! ほんとにわかんないの。中江くんがいきなりホームラン打って、あんなに完璧なピッチングまでして、先輩たちが認めてくれたのがすごくうれしくて……」

「うん」