キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

試合は、三対四で七回へ。
福岡先輩に疲れが見えるので交代という話になり、池田先輩が「中江を使いましょう」と監督に訴える。


「中江?」
「前回のリベンジをするはずです。チャンスをあげてくれませんか」


まさか、池田先輩が頭を下げるとは。
中江くんも驚いている。

あぁ、誰にでも分けへだてなく気を配れる彼が好きだったんだ。と心が揺れる。

勝てば、おそらく先輩と真奈は付き合いだすだろう。
でも、やっぱり負けてほしくない。


「中江」
「はい」
「福岡と交代だ。準備しろ」
「わかりました」


監督が中江くんを起用してくれた。


「サードは友野(ともの)にチェンジ」


監督のテキパキした指示が飛ぶが、堀先輩を含む一部の先輩たちは不満顔だった。


「全員で中江を援護するんだ。中江、打たれたら俺たちがアウトを取る。心配するな」