キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

「アイツ、やるな」


池田先輩は感心しているけれど、中江くんの起用に反対だった堀先輩が「たまたまだろ」と鼻で笑った。

たまたまなんかじゃない。
あの見事なスイングは、下半身が安定している証拠。かなり筋トレに励んでいるはずだ。

でも、私がムキになって反論しなくても、これから中江くん自身がプレーでそれを証明していくだろう。

秋季大会のときより、彼の表情に自信が満ちあふれている。

ホームベースを踏んで戻ってきた中江くんは、一年生の仲間にもみくちゃにされている。


「お前、ヒーローかよ」
「知らなかった?」


大島くんのつっこみに、いつもの返し。

ついさっきまで落ち込んでいた私は、その光景を見て笑みがこぼれた。


福岡先輩はショートゴロに打ち取られて、チェンジ。

中江くんは守備でもあわやレフト前ヒットか?と思われるボールを体で止めて、しっかりアウトを取った。