キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

「よし、わかった。ただし、使えなければすぐに変える」

「ありがとうございます」


中江くんは早速ヘルメットをかぶり、バットを手にした。


「中江くん、なんか今日は熱いね」


吉岡先輩がつぶやく。


「前回の挽回をしたいんじゃないかな。福岡くんも、あの場面で緊張しないピッチャーなんていないって同情してた。彼、もともと運動能力高そうだしね」


北見先輩が話すのを聞き、私は口を挟む。


「中江くんは見えないところで努力しているんだと思います」


北見先輩の言う通り、中江くんはもともと運動神経抜群なのだろう。

でも、体幹トレーニングを涼しい顔でこなすのも、軽々とホームランを打つのも、生まれ持った才能があるからだけじゃない。

甲子園に行くために必死に努力しているからだ。


「全然そうは見えないですけどね」


付け足すと、北見先輩の口の端が上がった。