キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

審判の判定は人によって微妙に違うので、公式戦で戸惑わないように、審判員の研究もするのだ。


「そうだね。ピッチャー大変かも」


北見先輩は福岡先輩が心配そうだった。


選手たちが頑張っているのに、私も引きずっていたらダメだ。

気合を入れ直し、つい暗くなってしまう気持ちを立て直そうとした。



五回を終わって三対二。
一点差で負けている。

守備が終わりナインが戻ってくると、サードの先輩が右手をしきりに気にしている。


「突き指したかも」


痛そうに顔をしかめる彼の指が青黒く腫れていた。


「次、打順が回ってきますが……」


池田先輩が監督に告げる。


「交代だな。サードは……」


甲子園でベンチ入りできるのは十八人。
今日も十八人でオーダーを組んでいる。

中江くんを含めてピッチャーを四人登録していて、サードの代わりがいない。