キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

あきらめにも似た落胆で、息をするのも苦しいくらいだった。



落ち込んだ気持ちにさらに追い打ちをかけられたのは、練習後のこと。

部室の片づけを終えて帰ろうとすると、池田先輩と真奈が笑い声をあげて楽しそうに話している姿を目撃してしまった。


先輩は私が髪を切ったとき『すごく似合ってる。こっちのほうがかわいいよ』って言ってくれたじゃない。

それなのに、私と話すときよりずっと楽しそうなのはどうして?


私、バカだ。
先輩が褒めてくれたのは、マネージャーとして働く私であって、恋愛対象の女の子としてじゃなかった。

わかっていたのに舞い上がった私が悪いんだ。


楽しそうに帰っていくふたりの姿を見ていられなくて、誰もいなくなった部室に戻った。

そして、大きなテーブルに突っ伏し、声を殺して泣く。


真奈に先輩の話をしなければよかった。
見学に来たら?なんて誘わなければ……。