キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

それなのに近くでやっている中江くんは、もうすでに三十秒以上同じ姿勢を保っていた。
しかもまったく乱れる様子がない。

『限界まで練習を積んでいるつもり』と漏らした彼の努力が、手に取るようにわかった。


「アイツ、半端ないな」
「小泉くんも、もう一回。一緒にやろう」


私も彼の隣で参加することにした。


「余裕のあるヤツは片手片足上げて」


池田先輩が指示すると、中江くんは当然の顔をして左手と右足を上げた。

さすがに私はできない。


小泉くんの隣で始めると、彼が真っ赤な顔をしていつもより長く頑張るので驚いた。

そっか。私に負けたくないんだ。

これは私も頑張らないと……と、必死に耐えたのに、二十秒持たず撃沈。


「柳瀬スゲー。お前、本当に女?」


ほぼ同時に崩れ落ちた小泉くんがボソッとつぶやく。