キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

ユニフォームをごしごしこすりながら、あふれ出てくる涙を止められなくなっていた。


いつもより長くなった洗濯だったけど、顔を洗ってから戻ったからか泣いたことには誰にも気づかれずに済んだ。


「体幹トレーニングやるぞ」


最後は全員で体幹トレーニング。


私たちマネージャーは苦手な選手を心得ていて、手伝いに行く。

一年生で一番苦手なのは小泉(こいずみ)くん。

彼は線は細いけど俊足で期待されている。


「あー、無理」


プランクという、うつ伏せになった状態で前腕と肘、つま先を地面につき体を一直線にして保つ姿勢を取ると、十秒も経たないうちに大声で叫んでいる。


「頑張って。あと十秒」
「む、無理」


彼はつぶれてしまった。


「小泉くん、もう一回」


励ますと渋々やり始めるものの、また十秒持たない。

私もやってみたけど、たしかにこれは見た目よりきつい。