キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

監督を中心に一軍のシートノックが行われている横で、中江くんは一年生のキャッチャー相手にピッチング練習をしている。

特に、試合で抜けてしまったカーブは何度も何度も投げ込み、フォームの確認をしていた。

その姿は生き生きしていて、落ち込んでいた姿が嘘のようだ。


それなのに私は、真奈と池田先輩の距離が縮まっていくだけでヤキモキし、仕事に身が入らない。

今日もまたグラウンドの隅に真奈の姿を見つけた私は、唇を噛みしめた。


「頑張れ、私」


こっそり誰もいないところで、逃げ出したい衝動を抑えて自分を励ます。

真奈のいるほうは極力見ないようにして、その日は洗濯に没頭していた。

真奈が池田先輩に向ける熱い視線を見たくなかったのだ。


「先輩……」


洗濯物の中には、池田先輩の練習用のユニフォームもある。