キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

先輩の前ではかわいい女の子でいたいのに、まったく無理だ。

お茶を出し終えて一段落したため、私は水道に走った。

近くにはずっと見学していた真奈がいたものの、私はあえて話しかけずに戻り、体の硬い選手のストレッチを手伝った。


「ありがとうございました」


監督への全員でのあいさつが終わり、今日は終了。

一年生と一緒に道具やお茶を片付け始めると、池田先輩が真奈に近づいてくのが見えてしまった。


先輩は練習のときとは一転、にこやかな表情で真奈に歩み寄る。

一方真奈も白い歯がこぼれていて、先輩と話せるのがうれしくてたまらないというような様子で、妙な胸騒ぎが止まらない。


ふたりはなにを話しているんだろう。
助けてもらったお礼をしているだけ?


「柳瀬」
「ん?」


中江くんに呼ばれて顔を向ける。


「手が止まってる」
「あっ、ごめん」


私は慌てて作業を続ける。