キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

十五分ほどで片づけを終えて戻ると、真奈は他の見学者からは少し離れた場所で、池田先輩をじっと見ている。

彼女は助けてもらってから、野球部の試合の動画を探して熱心に見ていた。
もちろん、池田先輩の活躍を知るためだ。

それを知っている私は、心がゾワゾワと落ち着かない。


「考えすぎか」


先輩をとられたくないという気持ちが先走って、そう見えるだけかも。

自分にそう言い聞かせる。


そもそも先輩は私の彼氏でもなんでもなく、ただのあこがれの人なのだから、真奈とどうにかなっても文句が言える立場でもない。

ふと池田先輩に視線を送ると、真剣な表情で福岡先輩となにやら話をしている。

でもそれが終わると、真奈のいるほうにチラリと視線を送って微笑んだのが見えてしまい、顔が引きつった。


「だから、考えすぎ」


私はわざと声に出してもう一度自分の気持ちを落ち着けてから、仕事に戻った。