キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

彼は私の頭をポンと叩いて先に教室に行ってしまった。


「我慢……」


前にも同じことを言われたような。
どういう意味なの?

私は首をかしげながら彼のあとを追った。



中江くんは私との会話をきっかけに積極的に練習に励むようになり、ホッとしている。

試合に負けた後、部内はしばらくギクシャクしていた。

でも、池田先輩が中江くんと他の先輩たちの仲を取り持ってくれたのもあり、徐々に関係が元に戻りつつある。


その日の午後練は、晴天の空の下始まった。


「大島。お前、これなに?」


タイヤを引いたダッシュのあとの休憩中、中江くんはおもむろに大島くんのお腹をつかんで冷たいひと言。


「なにって、筋肉?」

「脂肪の間違いだろ。太ったよな、絶対」


鋭い指摘に私も大島くんの顔をまじまじと見ると、なんとなく頬のあたりがふっくらしているような。

でも、気がつかなかった。