キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

何度そう考えても、真奈と比べられ続けてきてコンプレックスがある私は、どうしても落ち着かない。

もし彼が真奈のことを気にいったら……なんて余計なことばかり考えてしまうのだ。


「練習始めるぞ。ふたり一組で柔軟から」


先輩のひと言で皆が一斉に動きだす。
そんな中、ポツンと立ち尽くして私を見ている中江くんの姿をとらえた。

どうしたの?

なにか用でもあるのかなと足を踏み出した瞬間、彼は視線をそらして大島くんのいるほうに向かった。



「チビ」

練習が終わり教室に向かっていると、中江くんに呼ばれた。


「なに?」


少し緊張気味に振り返ると、彼はニヤリと笑う。


「やっぱチビなんだ」
「あ……」


引っかかったことに腹を立てつつ、以前と変わらず話しかけてもらえたことにホッとしていた。


「妹、大丈夫?」


倒れた場面を目撃しているのだから心配するのは当然だ。