キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

「迷惑なんてとんでもないよ。真奈ちゃんが回復してよかった」


それにしても、真奈ちゃんって……。
私はずっと『柳瀬』なのに。

私だって『莉奈ちゃん』と呼ばれたい。


呼び方ひとつのことなのに、ムクムクと黒い感情が湧き起こってきた。

カバンからタオルを取り出して顔と濡れた髪を拭いていると、先輩は真奈に微笑みかけている。

池田先輩ってこんなに穏やかな表情で話す人だっけ? いや、いつもそう?

私はなぜか激しく動揺し、頭が真っ白になる。


「本当に助かりました。ありがとうございました」


ドロドロした嫉妬に勘づかれたくない私は、とっさに笑顔を作って先輩に近づいていき深々と頭を下げた。


「気にしないで。急に苦しみだしたから何事かと思って。近づいたら柳瀬そっくりだったからびっくりしたよ。そういえば双子って言ってたなと思い出して」