池田先輩だけは薄々その努力に気がついているようで、私はそれがうれしい。



中江くんの先発起用への期待は膨らんだが、二年生の二番手のピッチャーが投げることとなった。

私たち一年生は少し残念に思っていたものの、勝てばまだチャンスはある。

ここを勝利すれば、次は本選常連校の私立との対決になる可能性が高く、エースの福岡先輩同様、中江くんも温存されていると思いたかった。


一回戦よりは苦戦したけれど、五対一で見事に勝利。

後半は福岡先輩が登板し、中江くんの出番はなく終了した。

打撃を買われてピッチャー以外のポジションでの出場も期待したものの、残念ながらそれもなかった。



二回戦に起用されなかった中江くんだけど、その後も文句言うこともなく黙々と練習を積んでいる。


十一月に入り、遠くの山々が色づき始めてかなり過ごしやすい気温になってはいるが、練習のときは皆汗がしたたり落ちている。