試合が終わったあと出場した選手たちと合流した私は、興奮したテンションそのままで中江くんに話しかける。
「お疲れ。すごかった!」
「うんうん。すごかった!」
すると、乙女のように目を輝かせた大島くんまで続くので、私は噴き出した。
「普通だろ」
「あれが普通だったら、俺、どうすんだよ」
しょげる大島くんの肩を中江くんがポンポン叩く。
「どうしようもねぇな」
「お前、そこは励ますとこだろ!」
「知らん」
バッサリ切り捨てた中江くんだけど、「練習しかないだろ」とささやいてから、送迎バスに乗り込んでいった。
試合の翌日の朝練はいつもお休み。遠征で皆疲れているからだ。
真奈と一緒に登校すると、校門で弘香が「莉奈」と私の肩をポンと叩いた。
「真奈もおはよ」
「おはよ」
ここは双子らしく声がそろう。



