ドS執事の甘いおしおき。

***


「単刀直入に聞くね?」


旦那様は柊斗との距離を縮めた。



「ねえ、美桜とどういう関係?」



一気に部屋の雰囲気が重くなる。

あのふわふわした人は誰だったのかと思わせるほどに。



「あくまで私は執事ですよ」

「……そうか。でもこれだけは肝に銘じておけ」



顔をさらに近づけて、柊斗のネクタイを引っ張る。



「あの子には婚約者がいるってことを」




それは牽制だった。

惚れるなという。

もちろん柊斗とて惚れるつもりはない。

キスはしても永遠に好きになることはない。



「了解しました」



精一杯の笑顔でお辞儀をすると、部屋を出た。



柊斗は使用人棟に戻ると、廊下の壁を叩いた。




「………んなこと、知ってんだよ」