「あれ、覗きにも奪いにも行かなかったんですか?」 夕方、柚月が庭に出て湯を沸かしていると、そんな入野の声がした。 買い物から帰ってきたらしい。 「そのような立場でもないですし」 と柚月は言った。 田中も結局、友だちが来て、出かけて行った。 ひなとと緒方がどうなったか、友だちと話して、なんとなく今日が終わるのだろう。 入野が柵ごしに言ってくる。 「でも、女の子って強引な男の方が好きじゃないですか? 楽だし。 すごい自分が求められている感じがするからかもしれないですねえ」 うっ。