「うちにご用事だったんですか?」
「ええ、広報部にちょっと。
お宅で作られている製品のことが知りたくて。
ご親切に工場まで連れていってくださいました」
「そうなんですか」
「雰囲気のいい会社ですね」
「ありがとうございます」
と言いながら、ひなとは、
でも、私は入りたての社員なので。
私もまだ、いい会社だなあ、とよその会社を眺めるように眺めているだけなんですけどね、と思っていた。
「ひなとさんは、何故、あの会社を希望されたんですか?」
と入野は就職試験の面接官のような口調で訊いてくる。
なので、ひなとも面接官に答えるように言ってみた。
「寒がりだからです」
ひなとの会社は携帯用カイロを作っている。
が、ほんとうに試験で言っていたら、落とされていただろう。
えっ?
それだけっ?
と思われて。
「ええ、広報部にちょっと。
お宅で作られている製品のことが知りたくて。
ご親切に工場まで連れていってくださいました」
「そうなんですか」
「雰囲気のいい会社ですね」
「ありがとうございます」
と言いながら、ひなとは、
でも、私は入りたての社員なので。
私もまだ、いい会社だなあ、とよその会社を眺めるように眺めているだけなんですけどね、と思っていた。
「ひなとさんは、何故、あの会社を希望されたんですか?」
と入野は就職試験の面接官のような口調で訊いてくる。
なので、ひなとも面接官に答えるように言ってみた。
「寒がりだからです」
ひなとの会社は携帯用カイロを作っている。
が、ほんとうに試験で言っていたら、落とされていただろう。
えっ?
それだけっ?
と思われて。



