「わぁ、いいね。こういうの」


と片瀬くんが言って、うんうんと頷く。


「…初めて見た」


と横から聞こえてバッと見る。
え?彼方くん、イルミネーション初めてなの……??
確かに、こういうの、彼方くん見なさそう。


「すごく、綺麗だよね??」


と彼方くんに言うと彼方くんはこっちを見た。


「…うん、綺麗」


そう言って微笑むから、イルミネーションに言ってるのは分かってるのに胸がドキッと高鳴る。
なんだろ……最近心臓、おかしい。

彼方くんの初めて見るイルミネーションに私がいるってなんかすごく嬉しい。
本当に、この気持ちがよく分からない。


しばらくイルミネーションを眺めて話していると更に辺りが暗くなってくるから、もう帰ろうと遊園地を後にした。



帰りの電車で、4人で座っている。疲れていたのかこの揺れるリズムに余計眠くなってしまう。

「寝てていいよ」

と横から言う彼方くんの声に安心して、眠りに落ちてしまった。