何をそんなに項垂れているのか自分でも分からない、本当に何も分からない。

この病気の原因も自然と見つけられるなんて先生は言っていたけれど、自分の何がこうさせているのだろう。

そして何に対してこんなに落ち込んでいるのだろう。

視界が曇るように私の心までも曇らせていくこの感情が、ゆっくりと支配していく。

ゆっくりと立ち上がり先生のいる上の部屋へと私も向かい、キッチンで何かを作る先生の元へと近づいた。


「先生」

「今日の夜ご飯はサンドイッチね。右からツナマヨに卵、そしてハム」


急いでいるのかいつもよりも音を大きく立てて準備を進める先生の邪魔をしてはいけないと、ソファーへと向かう。

軽くローテブルの角に足をぶつけて、下唇を噛み締める。

じわりと滲む痛みが胸を突き刺すように攻撃してきて、膝を抱き抱えるようにしてソファーの上に座り込む。


「じゃあ、行ってくるよ」


気付かぬうちに支度を終えた先生がそう言って部屋の扉を閉めて、下へと降りていく。

足音が完全に聞こえなくなり、何もすることがない私はただ小さく蹲くまった。