────利人はあたしのお目付け役。
由緒正しき家のお嬢様であるあたし(好きでなったんじゃないんだけどな。やんなっちゃう…)が、
家の外でワルイコトをしないように見張ってなきゃいけない、カワイソウな幼なじみ。
「利人」
「なに」
「毎朝一緒に行くのだるいって思ってるなら、やめれば?」
「あー、……うん、?」
話を聞いていなかったらしい利人が、あたしの顔をのぞきこむ。
「だからあ、毎日あたしと一緒に登校するの、だるいって思ってるんでしょ、って……」
「そりゃね。でもまあ仕事なんで」
ぐさり。
容赦なく心の弱い部分に突き刺さる。
本人は、たぶん悪いと思ってないからタチがわるい。
あたしがその返事ひとつでこんなに傷ついてるなんて、知りもしないんだ。
ま……そうだよね。
それに利人って、モテるし。
好きな子といられるかもしれない時間を、あたしなんかに当てなきゃいけないなんて……。
「……ごめんね、」
小さく零した声は、本当に小さすぎて利人には届かなかったみたい。



