受付の人に事情を話すと、診察室奥の部屋に案内してくれた。



「咳の症状は落ち着いたみたいなんですが、熱がだいぶ高くて……。念のため、あとでかかりつけ医さんにも診てもらったほうがいいかもしれません」



病状を聞いただけで涙が出そうになる。

部屋に入ったら、ベッドに寝かせられた利人がいた。


肩が上下して、呼吸が浅いのがわかる。
咳は出てなくてもつらそう……。



「利人……」


うるっと涙声になる。


「なんで倒れちゃうの、」


ぎゅっと手を握ったら、利人の目がうっすら開いた。