気を利かせてくれたんだろうけど、利人にお茶を持ってきたあと、エリカさんが部屋を出ていって、ふたりきりになっちゃった。
ダイニングはしーんと静まり返る。
向かいの視線から逃れようと、ニャンコのオムレツに目を落とす。
「今朝の電話なに」
「………」
答えない答えない。
ぜーったい答えない。
無視してフォークとナイフを手にとった。
ニャンコの顔をぎりぎりまで残しておきたいから、端のほうから崩していく。
「おい、菜結」
ほら、そうやってすぐ不機嫌な声出すんだから。
それでも無視してたら、ぐっと顔を近づけてきた。
こうされると、さすがに逃げ場がなくなってしまう。
「……、見られると食べづらいんだけど……」
眉をおもいっきり寄せて、あたしも負けじと不機嫌な声を出してみた。



