「どこか見つけたのか?」
「いえ
何とかなるかなと思って
ここにいても何もならないし」
「何とかなるという精神
やめた方がいいぞ」
それって空港で聞いた言葉
思い出して笑ってしまった。
「そこで笑う?
失礼なやつだな」
「先ほど言われてましたね」
空港で後から駆けつけたおじさんに
この人も言われてた。
「宿がないんだろ?
間借りさせてやってもいいけど?」
「え?間借りって?」
この人はスイートルームに泊まるから
部屋数はあるとのこと。
私にとってはこの人は救世主なの?
いやいや でも相手は男性だ
見知らぬ人のところにノコノコと行くのは
どうか?と思う。
でも変な人じゃなさそうだし
身元も確かな人らしいし
頼ってもいいかな?
でも•••でも
【でも】と言う言葉が
頭を駆け巡るが
「やっぱりいいです
お気持ちだけありがとうございます」
とお断りをした。
「バカだなぁ
せっかくの人の親切を無駄にするのか?」
「ありがたいとは思いますけど
一緒の部屋というのは•••
そのぉ〜•••あの〜•••
なんて言いますか•••」
「え?まさか?
こっちが襲うとか思ってるわけ?
あはは ウケる!
君みたいな相手に無駄な動力や体力を
使わないから安心しろ」
君みたいな相手に?
無駄??
はぁ???
言い返したいけど
ここはグッと我慢。
「顔に出てるぞ!
鬼のような顔になってるぞ」
「そ•そんなことはないです!!!」
そんな言い合いをしていると
フロントで宿泊手続きをしていた
おじさんの丸山さんが
「専務終わりましたよ」と戻って来た。



