そして、放課後━︎━︎……。


「茉優って家……どこ?」

カバンに教科書を入れて帰る準備をしていると、永瀬くんがそう聞いてきた。

【西区です】と書いて見せると「えっ! マジ!?」と大きな声を出し、すごい驚いた表情をした。


【どうかしたの?】

「俺も西区なんだよ! じゃあ一緒に帰ろうぜ!!」


永瀬くんは、そう言って私の腕を掴むといきなり走り出して教室から出た。









「はぁ、はぁ……めちゃくちゃ走ったなー」


ほとんど家まで走った。普段は10分くらいかかるのに五分で着いた。

すごい……。


【永瀬くんって足、早いんだね】

「そうか? でも、前の学校の時リレーの選手に選ばれたことはある!!」


リレーか……私、足遅いからリレーとか出来ないなぁ。


【すごいね!永瀬くんって走るの好きなんだね!】


そう書いて見せると、永瀬くんは目を逸らした。だけどそれは一瞬で……。