「そういうわけだから。
分かった?」


「了解です……」


お付き合いを始めて今日で3日目。

漣くんはわたしのペースを乱すのがほんとうにうまいと思う。


「はい、じゃあ帰るよ」


「はっ、はい!」


「ふっ、なんで敬語?」


またもやクール……に装ってるらしい漣くんがカバンを手にして立ち上がった。


忘れ物はないよね?

特に勉強とかはしてないし、大丈夫なはず……


「海凪」


「なに、漣く……ひゃっ!?」


「言ったそばから油断しすぎ。
まあその方が?かわいい表情もっと見れるし、俺は大歓迎だけど」


「っ〜!!」


言葉にならない声をあげるわたしにニヤリと笑う。


「海凪が思ってるほどクールじゃないから、俺」


今度は髪に。

壊れものでも扱うように口づけられた。


「明日も放課後、約束だからね」

「はい……」


最後にニッといじわるに笑って歩きだした漣くん。

その後ろ姿を見て、深く深く息をはく。


神様。

わたしやっぱり今日が命日だと思います……。