「海凪が俺の腕の中にいること、もっと実感したい」 「わたしは十分すぎたと思うけどっ」 「まだまだ一ミリもたりてない。 ずっと海凪不足のまんま」 「っ、」 「学校でもそう言っただろ?」 ハチミツみたいに甘ったるい声と。 そっと覗きこまれた瞳には期待の色が浮かんでいて。 ああ、もうっ…… 「いっ、一瞬だけだよ」 「そう言ってくれると思った」 嬉しそうに弾む声に胸が高鳴る。 隙をついて離れることもできたのに。 なに流されてるの、わたしは……っ