腕をクイッと引っ張って、背伸びして。


「キス、しちゃった……」

「っ〜!!」



『キスしてあげるといいよ。
ぜったい喜ぶ』


「っ……さっき岬に言われたのって、これ……?」


「うん……」


「あいつ……」


七流くん、顔、真っ赤……。


「あー……見ないで。
今、めちゃくちゃ変な顔してるから」


「やだ、見る」

「それ、俺のまね?」


「ふふっ、ばれた……?」


「んっとに、もう……」


髪をグシャグシャっとして、視線をさまよわせる七流くんが愛おしくてたまらない。


気持ちを伝えるのははずかしいけれど、好きな人が喜んでくれるなら、何度だって言える。