「まあ、いっか」


「えっ……?」


「だめじゃないって言葉も、もらえたし?」


顔を上げた七流くんは、口角を上げて、ふっと笑う。


「っ……!」


ここは空き教室で職員室も近いっていうのに。

わ、わたしはなにを言って……!


「あ、顔赤くなった」

「当たり前だよ……!」


全身が燃えてるみたいに熱くなる。


「今日の放課後、うち来る?
おじさん、今日も帰ってこないと思うし」


「……っ、え、遠慮しときます……!」


「残念」


それから教室へと戻るときにはもう、わたしたちの間にはまた距離が空いて、ライバルのふりをするけれど。


「七流くん」

「なに?」


「……愛してるよ」


「え?なんて?」


「っ、ばかっ……!」


「ほんっとにかわいい」


好きって気持ちはいつも、つながってるから。