まだ、夢みたい。

中学の頃は思いもしなかった、漣くんとのお付き合い。


それが今ではわたしの彼氏で、大切な人。


「でも、よく漣も我慢したわねぇ。
自室にふたりきりで」


「それは……」


完全に、わたしのキャパオーバーのせい、といいますか……。


あの告白のあと。

何度も何度もキスが降ってきて、抱きしめられて、好きって言われて。


それはわたしが告白する前よりも何倍も多くて、甘くて。

愛おしいと言わんばかりの瞳に見つめられて。


「み、海凪っ!?」


今度こそめまいを起こしたわたしは、キャパオーバーで気を失ってしまったのだ。

キスする度に、頭がくらくらしていたのは本当だけど、さすがに気を失うのは初めてで。


呆れられちゃったに違いない。

そう思っていたら。


『ごめんなさい。意識、飛ばしちゃって……』


『大丈夫だよ。
むしろ俺の方こそ、余裕なくてごめん。あまりに嬉しくて幸せで、理性が利かなくて』


『漣くん……』


『だから、いっぱいキスしような。
それで徐々に慣れてこ?』


なぜか、めちゃくちゃ嬉しいと抱きしめられてしまった。