こ、ここでそれは反則……っ。


「海凪?
息してる?」


うわああああ!

顔、見られちゃう!


「は、離れないでっ……」


顔赤くなってるのを見られたくて咄嗟に出た言葉。


「あー……実際言われてみたらすっげえ破壊力。
もう一回言って?」


「ええ……?や、やだよ」


「なら、顔見る」


「あっ、ちょっ……!」


「ふはっ、首まで赤い」


心音でわかったから顔隠しても無駄だけど、なんて、とびきり優しくて甘い笑顔がふってくる。


「海凪」


「っ!さ、漣くん!?」


開けられていたシャツをめくられて、そこにキスが落とされた。

よくよく考えたらわたし、ずっとはだけたままだった!

鎖骨どころか、胸まで見えそうで、またかーっと頭に血がのぼる。


「泣かせちゃったけど、今日はこんなとこにまでキスさせてくれてありがと。今度はもっと違うとこにもキスさせてね」


脳がまた警告する。
漣くんは危ないって。

でも……。


「海凪が言ったんだもんな。
離れないで、って。だから、離れちゃだめだからね」


ドキドキする反面、ぎゅってされたりしてほっと安心する自分がいるのも確かで。

これは好きってことなのかな……。