「おはよ、向坂」


1週間のはじまり。

月曜朝のまぶしい日差しが差し込む玄関で。


「向坂?」


「……」

わたしは今、脱いだローファーを片手に硬直していた。


「どうしたの海凪。
まさか体調でもわるい……」


「ちょちょちょ、ちょっと漣くん!?」


「なに?」


「なに、じゃないよ……!
ここをどこだと思ってるのっ!?」


「どこって、玄関だろ?」


「そうじゃなくて!
話してるだけじゃなくて、名前で呼んでるのだれかに見られたら……っ」


「あっ、おはよう海凪〜!」


ぎゃああああ!


「あれ、漣も?
珍しい組み合わせだね」


「はよ」