あの時助けてくれて優しくしてくれて、ドン底から救ってくれたサトルを…

私は信じてるの


お姉ちゃんが志木や泉さんを信じるように。



「サトルはね、私がレイプされてるところを助けてくれてね。ずっと大丈夫だよって言ってくれたの。ふとした時に思い出して、苦しくなるその時も、側に居てくれたの!!」



そうだよ

サトルは一緒にいてくれた



「お姉ちゃんは、来てくれなかった」



こんな言い方をする自分は性格が悪い。お姉ちゃんをわざと傷つけている。

泉さんの顔が猛烈に怖くなる。

でも知らないもん


私は……ずっと…



「お姉ちゃんが私を嫌いだと思ってた」



今まで言えなかったこと
心につっかえていて、吐き出すこともできなかった。



「そう思ってたから、お姉ちゃんが私を襲わせたとサトルに聞いて、信じたの。やっぱり私が邪魔だったんだなって思った。そしてそのままお姉ちゃんが大嫌いになった」



お姉ちゃんは泣いている



お姉ちゃんはいつも、私の前で笑顔だったから。私に気を遣わせないために笑顔だった。

そのお姉ちゃんが泣いている