「私がレイプされたの知ってる?」


そう言うと、お姉ちゃんは涙を堪えながら、うんうんと頷いた。


「誰に聞いたの?」

「…泉に聞いた。志木が鈴を病院から連れ出して、そこで鈴から聞いたことを、志木は死にそうになりながら泉に伝えた。それをあたしは聞いたんやで」


そうか
お姉ちゃんは、そこに立って私を睨んでくる、泉って人のことを信頼してるんだね。

分かるよ、その気持ち



「お姉ちゃんは、その泉さんから聞く話が嘘だと思わなかった?」

「え?びっくりしたけど、嘘やとは…思わへんかったで」


気まずそうにお姉ちゃんは答える。そこに居るお姉ちゃんは、あの頃と変わらず、私の様子を伺いながら話している。

嘘だなんて思わないよね



「正直、志木が泉さんに、泉さんがお姉ちゃんに、都合のいいように、嘘をついて話すこともできるでしょ?」

「……そうやな。嘘をつくことはできるけど…泉はそんなんせんよ」


ありのままをちゃんと伝えてくれるよ、とお姉ちゃんは言った。

そうだよね


だから言ったじゃん



「私もなの!!!私も……サトルが言ったことは本当だと思ってるの!!!」


そう言えば、お姉ちゃんは、ハッとした顔をした。分かってくれるよね。

信頼してたの