部屋から出てこなくなり、最初は冷やかしをしてやろうと思っていたけど、あまりにも顔を出さないから心配した頃、お姉ちゃんは、みるみる明るくなっていった。


そして少ししてから、殆ど家に帰ってこなくなっあ。だからあまり話さなかったけど、帰ってくるお姉ちゃんは、必ず……私に何かを買ってきてくれた。


『母上には内緒やで』


テレビで見て食べてみたいと思っていた、七色のお菓子。大人気のお菓子。

身体に悪いからと買ってもらえなかった。学校ではみんな食べてるのに…
私はその味を知らなかった。

お姉ちゃんは帰ってくるたび、私にこっそり何かを買ってきてくれた。


『おいしくない…』

『当たり前やん。7つも味あってみ?気持ち悪いやろ』


そうケラケラと笑った
前まで教えられていた言葉遣いだったのに、コテコテの関西弁になっていた。

お姉ちゃんは不思議な人だ


私のことを嫌いじゃないのかな
自分で言うのもなんだけど、嫌な態度ばかりとってきた。あの時はあの優越感に浸りたかった。

嫌われてると思った


なのにお姉ちゃんは……


『今、学校では何が流行ってるん?あたしの時とは違うよな?最近家の近くにできた唐揚げ屋さん、めちゃおいしかってん!鈴の分も、また買ってくるな』


いつでもどんな時も、変わらず接してくれた