泉はそう言って、あたしのすぐ隣に座る


コツコツ

小さな足音


「鈴……」


どこから見ていたのか聞いていたのか、離れたところにいて、こちらに歩き出した鈴

鈴は何を知ってるんやろう


鈴と仲直りできるんかな


鈴はサトルのことを……まだ好きなのかな



「やぁ、久しぶり」



サトルは鈴を見て不適に笑う

鈴の表情は……





「サトル…会いたかった」



そうか

鈴はまだ、サトルのことが好きなんや

そして、サトルが何をしたか、まだ知らないんやな。あたしの声は…

届かへん



「杏様…大丈夫です。あなたは1人じゃありません」


志木…ありがとう。
心は折れそうやけど、負けるわけにはいかん。そして鈴の目を覚まさせる。

鈴にとって何がいいのか分からへん。
だって鈴はサトルを好きでサトルを信じてるんやもん。
何も知らないままが幸せとかは、あたしは思わへん。

でも


鈴に耐えられるんやろうか



「鈴と出会ったときの話でもしようか」


サトルはニヤニヤ笑う
鈴とサトルの本当の話


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