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「だりーーー追試とか受かる気がしない」


朔は机にのびたままテストが嫌だとごねる。確かに今回は勉強する暇がなかったから、朔と響は危ないかもね。

まぁ、追追試もあるから大丈夫だと思うけど。


「なぁ新、これどうやるんだっけ?」

「あぁ、これは教科書のここを読めばわかると思います」


全員がカラ元気

無理矢理普通に振る舞っている


1人を除いて



「ちょっと俺、泉探してくるね」



泉は今日も教室にいない

関東へ戻ってきて3日


何事もなかったかのように日常が始まった。


取り残された気分だ
同じように俺も、普通に振る舞ってみるけど、うまくいかない。

朔でさえ、我慢して普通にしてるんだから、俺もそうしなきゃいけないけど。


北蓮見の屋上までの階段を登る


泉が屋上にいるからだ


放って置いたら飛び降りたりしそうで怖い。


本当は朔が行くのがいいんだけど…朔も冷静じゃないからね。普通を装ってるだけだから。


ま、そう言う俺も、全然冷静じゃないんだけどね。何も手につかなくて困ってる。