ここにいる私たちを見なさい。みんな貴方に心を動かされてここにいる。
何も考えずに馬鹿みたいにテストをさぼって、関西に来る訳ないじゃないですか。私達は貴方が必要だから来たんです。
可能なら無理矢理でも連れて帰りたいと思ってますけど、それは貴方の為にもならない。
私達の気持ちは分かりますね?
だから、今悩んで東堂と向き合いたいと思ってるなら、杏のその選択肢で合ってるんですよ。間違ってないです」
初めてかもしれない。新がこんなに話すのは。俺以外の誰かに、ここまで思っていることを話すなんて。
杏も驚いたのか、口をポカーンとあけて、新のことを見ている。
涙も止まった
「杏が居ないと、この4人が煩くて仕方ありません。そして私が過労死します。貴方は分からないでしょうけど、貴方が来るまでの泉は、本当に自由気ままで何処にいるのかさえGPSを確認しなきゃ分かりませんでした。
朔は誰にでも喧嘩を売って、チームを動かすし、うるさいですし勉強もしないし。
響は貴方が居なければ、女性と話すこともできず、一生殻に閉じこもってたでしょう。外に出るときの女避けが大変でした。
慧は女遊びが酷くて、たまに抗争の時にも女のところにいて連絡がつかないとか、女の恨みでネチネチとしたものに巻き込まれたりだとか……」



