「志木が母上と話してくれってゆうたん。母上に会うのが怖い。夢で母上はあたしに謝ってきた。もし現実でもそうなったら、あたしは捨てれるかわからへん。
存在も無いものにされて、無視され続けた日々でも、あたしは捨てきれへんかったのに。
話し合いしてしまうと、自分がどうなるか分からんねん。だから、悩んでるねん」
手伝ってくれた皆んなにこんな事言ってごめん。あたしは最低や。
杏はそう頭を抱えた
わかるよ。親って恐ろしいくらいに自分の中にこびりついている。
引き剥がしたくても剥がせない。
わかるけど
「あの…いいですか?」
ずっと黙っていた新は控えめに手を挙げて、その場を一度収めた
ぐすぐす泣く杏
杏の隣にいる慧と新は場所を変わり、泣いて顔を覆う杏の手を取った。
「こっちを見てください」
「…あら、た?」
新は基本、こう言うときは黙って現状を見守っている。だからこうやって動いたことに驚いた。



