「あーサトルと水瀬はどうしますか?どこまで公表されるのか分からなくて…」

『そうですね。雄作さんに任せていますが、基本的には、ニュースで流れた通り、爆発物の使用と後もう一つ…薬関連でひとまずは調査が進みますね。
半年前、杏様が死んだ、行方不明になったというニュースは、世間にほぼ知られていません。身内は、家出と捉えていますし…。事件性はないとされていました。だから…

できれば、あの日のことを掘り起こすことはしたくありません。なのでそういう風にならないように雄作さんがしてくれます。

その事は、貴方達は安心してください』


「そうですか。わかりました。それで…杏の様子はどうですか?」


同じ病院にいる志木さん
俺が話した時に、杏の病室に車椅子で移動していた志木さん。

きっといまも側にいるだろう



『目は…覚しません。時折苦しそうな表情をして、ぐったりしたままです』

「そう、ですか。夜にみんな連れて行きますね」

『是非ともそうしてください。杏様に力を…あげてください。そうすれば必ず目覚めますので』