「そりゃ…両想いなら嬉しいだろうけど、俺は杏が誰といて1番幸せと感じるかが大事だ。俺じゃなくてもいい。幸せになる道を選んで欲しい」
まぁ告白する気もないけどな。
この気持ちを大事にしたいだけ。
「自分が幸せにすればいいだろ?」
「俺じゃ…今の俺じゃ無理だ。杏を1番に考えれてない。まだ自分の感情が優先されてしまうんだ」
サトルと会った時もそうだ
怖いが勝ったよ
助けてやりたいし守ってやりたいのに。
「馬鹿息子が増えたな」
ふんと鼻で笑われる
「強くて守れる奴が凄いのか?スーパーマンみたいに助けれたらいいのか?そうじゃないだろ」
癌だなんて思わせないほどの、力強い言葉に心が揺れた
「あの嬢ちゃんを笑顔にできる奴が凄いんだろ?嬢ちゃんが守って欲しいと思ってるのか?スーパーマンみたいに助けてくれって思ってると思うのか?違うだろ。
嬢ちゃんの何気ない日常で、少しでも長く嬢ちゃんを笑顔にさせてやるのが……本当に想うってことだ」
その辺は、あの馬鹿息子の方が、朔よりも得意かもな
親父さんはそう言った



