愛は惜しみなく与う⑦

顔に書いてあるのか?
あまりにも周りにバレるから何も言えず黙ってしまった。

いや、恥ずかしいじゃん?


「わかりやすい奴だな。泉よりも素直で可愛げがある」


親父さんはハハハと笑った。

まぁ泉は…な
無表情で何考えてるのか分からない時が大半だからな。
杏のこと以外は、な!

杏に関してなら分かりやすすぎるけど。



「俺そんなに分かりやすい?」

「そうだな。お前らの声が聞こえてたから」


え?


「部屋の窓開いてるんじゃねーか?お前の力説が、聞こえて来た」


なんと
そういうことか。恥ずかしい

あのメルヘン部屋の窓が開いてたのか。言われてみれば、今いるところの上に、あのメルヘン部屋がある。


「もし馬鹿息子が嬢ちゃんと結婚したら、嬢ちゃんはお前の義理の姉になるんだぞ?」


小さく笑って話す
義理の姉ね…

でもそれは…


「なんか、初めてなんだよ。純粋に幸せになってほしいって思ったのが」


聞いてやるよ。そう言ってるような気がしたから、親父さんに話す。


「彼女にしたいとか、思わないのか?」