愛は惜しみなく与う⑦

そして、またさっきの部屋に戻ろうとする志木さん。
それを必死に止める昴さん


なぁ、杏


何が正しいんだろう


お前を助けたくてきたけど、結局俺たちは、お前が居なきゃ殺されるかもしれない。
お前に守られてるんだ……

どうしてやるのがよかったのかな


「ちょっと、立たんとき?目が…」


むくりと立ち上がった泉は、美奈子の腕を振り解いてフラフラと歩き出す


「泉!だめだよ、動いたら」


片目が真っ赤の響は、フラフラと動き出す泉の腰に手を回し、必死に止めた


でも



「離せ。もう大丈夫だ。杏を…1人にしないって約束した」


「おいおい、お前もかよ。あー俺は昴。薔薇の幹部な?とりあえずお前が落ち着いてくれなきゃ志木を止めれへんやろ?」


昴さんは、もぉ!と怒っている。この状況で誰1人冷静じゃないよな

おれも落ち着いてるように見えるだろうけど、これは冷静とは違う


でもその中で



誰よりも穏やかな顔をしている奴が居た



「私が行きます。サトルと…話さなきゃ。お姉ちゃんが…本当に私のことを嫌いだったのか、分からなくなってきた。ちゃんと確認しないと…」