「全員ここから離れろ!!!出来る限り離れろ!!爆弾が…仕掛けられてる」




もうすぐ爆発する
本当にあと少しなんだろう


間に合うくらいなら俺にこんな連絡をしてこないはずだ。
そして、間に合うならここから出てくるはずだ。


辺りがざわつく



「離れろ!!!」



俺の声で全体が後ろへ下がる

もっとだ

どれくらいか知らないけど!出来る限り離れなきゃ



「おい、泉!!どういうことだ」

「雄作さん!これが杏から」


携帯の画面を見せると雄作さんは固まってしまった。


「爆弾は確かに見た。まだ残ってるのは知らなかったけど」


どんどん身体が冷えていく
芯からどんどん



「泉、おまえは……」



雄作さんが何か言おうとした時



身体が吹き飛ばされた


耳をつんざく音
キーンと頭の中で響く


耳が…何も聞こえない



視界には、煙が…瓦礫が…


待てよ
何が起こった?




「杏…」



まさか、もう爆発した?




大きな音と共に、自分の体は何かの風圧で吹き飛ばされて、その場に立つこともできなかった。


杏のいた場所から、火が上がる





もくもくと黒い煙が

昇り始めた朝日に吸い込まれるように消えていく




「杏ーーーーーーー!」



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