愛は惜しみなく与う⑦


「首をしめてもさ、お前は綺麗なままか?」

「……何がしたいん。あたしを絶望に追い込みたいなら、あれで充分やったやん」

「あれって?何?」

「……鈴をあたしの目の前で拉致ったやろ」

「あーーあれか。何?そんなに絶望してた?俺には分からなかった」


は?こいつ……


「なぁ、どうする?お前をボロボロにして、そして大切にしてやろうと思ってたけど…こうやって気が強いままでもいいな」


でもそうしたら、毎日喧嘩になって大変かな。そう笑った。

こいつは、どうやったらあたしとの未来が頭に浮かぶんや?

こうやってちゃんと話すのも…3回目くらいなんやで?


でも、あたしは知らなきゃいけない




「なぁ、お願いがあるねんけど」

「ん?何?俺、殆どのことならしてやれると思うけど」


あたしの頬に手を当てるサトルは、あたしを愛おしそうに見つめる。
その視線がすごく怖い



「あたしに出会ってからの、すべてを教えて。初めてあたしを見た瞬間から、関わってきたすべての人の話」


知る権利はあるやろ



「うーん、全部教えてやるよ。でも……簡単に潰れんなよ」


耳元で囁かれた言葉で、身体の緊張は最高潮までにあがった。


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